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座 禅 猫

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撒く星の光(04年11月)

   撒く星の光 2004年11月



†撒く星の光とがりて氷点下(11/5)

†波の花すくえば潮の香ばかりかな(11/6)

†りすの尾に巻かれてみたき今朝の冬(11/6)

†それぞれに天りんと指し冬木立(11/6)

†「コウ!」と何恋う空渡るカナダガン(11/6)

 映画「百合祭」監督浜野佐知さんにお会いして
†厳しさを知りなお優しはさちなりや浜の真砂となりて伝えむ(11/8)

 あこ虫さんにささげる歌
†「てきとー、このすばらしき言葉」作詞/作曲 いう(11/8)

てきとー、ああ、そのあんばいよ~♪
てきとー、しなやーかに、したたーかに~♪
お~お、てきとーてきとー♪
てきとー、ってきっとー、すてきとーー♪

†厳しさは柄で占い冬毛虫(11/8)

†年暮るる買い物籠下げカプチン僧(11/9)

†肩書きは芸術家とでも賀状書き(11/9)

 選挙五日後、ファルージャに大規模侵攻
†十万人死に我夕食卓にあり(11/9)

†誰一人我が言解す人無くば「これはまずし」と笑顔にて言う(11/9)

†その顔は横目で認め同窓会(11/9)

†狭い地球そんなに意固地でどこへ行く(-v-)-э(11/10)

†馴れ初めをほのぼのと聞き小春の日(11/13)

†計画を立てる席には猫もおり(11/13)

†窓際の猫一身に冬陽寄せ(11/13)

†犬も子も遊びはじける息白し(11/15)

†目覚めての道用意され白冬芽(11/15)

†咳すれば心配顔の猫来る(11/15)

†渋滞や今日はじめての空の顔(11/18)

†フロア冷え挨拶無しの舞い子かな(11/18)

†スクリーン睨む夫に定時無し(11/20)

†とらわれの星枝籠にまたたけり(11/20)

「王であるキリスト」
†罪にあり死にゆくわが身に楽園の恵みたれたもう君こそ王なり(11・21)

†目の中に丸太の棒のごろごろと(11/22)

†設定一度下げ修行のつもりにやある(11/22)→改1/4

†日向ぼこしゃっちょこばるのはもうやめた(11/22)

†次のセリフまでつかの間を冬の蝶(11/22)

 シエラ・ネバダを下る夜に
†寝蠍の紅い鼓動に丘ゆれる(11/22)

†ミサ出ぬ夫イェスに幾山程近し(11/23)

†頬たたくこの雪湖から来たる(11/22)

†祓われていよよ真白の雪野かな(11/24)

†庭の雪無闇に踏みし子らのゆく(11/24)

†雪分ける散歩の顔の晴れやかに(11/24)

†雪枝の地に着くまでにたわみたり(11/24)

†抱く猫の重みの温さ雪の夜(11/30)



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